インフォメーション
アイドラーズ12耐 詳細報告⑩
いよいよラスト15分。
視界不良・滑りまくる路面と格闘している所さん。後ろから猛追する車両もいる。
ただ、この時のドライバー心境は「誰が速いのか?どの車と直接順位争っているのか?このクルマは譲るべき?このクルマは抜いたほうが良い?」などが全く分からない。
例えば、ハイビームライトでグングン追っかけてくるように見えるから譲るとクラス違いのヤリスであったり、こちらより明らかに速いはずのフェラーリやランボルギーニに追い付いてしまったりと言う場面も多々。何だか分からないけどとにかく無事ゴールまで行こう!と言うお気持ちだったはず。
おそらく直接の順位を争う992GT3に抜かれたとしても判別や認識できないし、仮に抜かれたからと言って追いかける事も困難な状況。
ここで普段はドライバー稼業に集中され、状況を静観している中嶋さんが所さんに詳細状況を伝え始めた。「後ろ10秒くらいのところにランボルギーニがいます。間もなく追い付かれると思う。」
「その後は暫く後続車来ないから落ち着いて走れます」等々。視界ゼロの所さんに状況を丁寧に伝える「スポッター」役をPCに表示されるロケーター(コース上を走る全車両の動きを示すもの)を見ながら開始してくれたのだ。その前のご自身スティントから雨で後方視界が悪く、速いクルマなのか遅い車両なのか判別しずらかったのでお手伝いしたと後々仰ってました。
自分は、最後のこの一致団結を見て本当に感動した。
大人なので静かに、しかし全員で所さんの頑張りを支えている。そして、これらの情報に呼応し所さんが大幅ペースアップ。一気に50秒/周も速く周回し出した。この時のタイムはWET路面下のTOP5車両平均とほぼ同じ。大雨の中としては驚異的である。これを見てなのか、GT3チームもペースダウンし鬼気迫る追い上げもここで終了。最後まで何とか走り切り、クラス2位のままチェッカー!!!
そして、総合11位と思っていたのだが、最後数台がスピンしたのかトラブル発生したのか不明だが終わってみると9位に上がっていた。(アイドラーズはチェッカー受けないと順位認定ない為)
最後は全員でPITウォールへ向かい、所さんのチェッカーフラッグを見届ける。
色々な意味で、長く濃厚であった今年の12時間耐久レース。本当に素晴らしかった。
出来る限りの準備をして初耐久レース参戦の所さん、本来はスプリント趣向だが今回のチームにしっかり溶け込んで下さり強力なパフォーマンスで走行してくれた中嶋さん、高価なカーボンヘルメットに新調された事でも意気込みが分かる嶋田さん。そして、陰ながら大きな尽力して下さったaprさん、ポルシェセンターさん、自社エンジン添加剤ご提供と現場サポート下さった進藤さん、暑い中16回もの給油をして下さった中山さんと瑛ちゃんに感謝しかありません。
また、現場で旧タイマツレーシングの面々と久方振りに話を出来たことも本当に感慨深い。数年ぶりの日野さん、松本さん、須藤さん。パークトレーニングには来て下さった佐藤さんや大島さんふくめ、もてぎの耐久現場で会うと話をしたい事ばかりだ。
そして、自分がメンタル不調で休業中にも優しく寄り添って下さった土岐さんご夫婦と柴田さん。お二人が中心で新しいチームを立ち上げ、そこに旧タイマツレーシングが合流しレース参戦している姿を傍から実際に拝見できたこともうれしかった。
2023年までの自分は、後先や責任、必要利益や時間、自分のキャパを考えずお客様からの要望は全力で全て応えるサービス精神のみで商売しており、それがチリツモで色々立ち行かなくなった。そこから突然の廃業宣言と休業、妻に連れられての心療内科受診、自己反省と抜本的改善になっていくのだが、今は「自分が責任もってやれることのみ従事する」であり、それは車販売とレースに共通するところ。盛り上がりや派手さに欠けるので「終わった?」と思われるはずだが、それはそれで良い。自分が他人様に迷惑掛けず、責任持てる範囲でこれで良い、と思える活動していれば良いのだから。
また、自分の脳がシャットダウンし家から出られず、家族にも心配掛けつつ仕事辞めようかなという時に、用賀ジョナサンで何の気なしに下らない話で寄り添って下さったのは、実は所さんと嶋田さんでした。そして先述の土岐さんと柴田さんも砧デニーズで何度もお会い下さった。今回の耐久は所さんメインの企画に見えて、実は多くの皆さんからの陰ながらのエールで松田をまた耐久レースシーンに戻してくれたのかな?とも感じている。そして、会わずとも松田を気にかけて下さっていたんだろうなということは、日野さんや松本さん、須藤さんの表情から知ることができた。
話を戻すと、総合9位クラス2位は予想以上の結果であり、また2017年からずっと自力で勝てず、いつか自力で打ち負かしたいと思っていた#17アイドラーズ964にも自力で勝てた。
過去リザルト振り返ると、今回が718としてのベストリザルトだ。しかも、過去上位の際はウエット路面での松田乗車比率が高かったが、今回は完全均等割りである。
リザルト的に充分満足できることは間違いないが、今回はそれ以上の「皆様の想い」が含まれていると感じでいる。本当に今回参戦させていただけて感謝しかない。
チェッカー後は、所さんを迎え入れて暫し興奮含んだ歓談タイム。この一瞬を味わうために耐久レースは存在し、また多くは苦渋に満ちたものになる中で、幸せな時間だ。
ただ朝同様、円陣を組んでの反省会はしない。さっさと荷物積んで帰りたい。
でもさすがに所さんの想いを鑑みて、みんなの前で短くコメントを頂戴した。その後、所さん中嶋さん、給油メンバー全員で表彰式に参列していただき、
嶋田さんと自分は備品片付けやトレーラーに718を載せる作業し、もてぎを早々に後にした。
帰路、一人でトレーラー運転しながら今回の耐久の出来事が色々頭をめぐる。
レース展開、PDK不具合、現場で会った皆さんの顔、最後の真剣な戦い。
来年出るかは未定。今後も全く決めていないが、今回本当に素晴らしいものだった。なかなか得られない濃いレース。
今回のチーム全員、主催者様、参加された全チームに改めて感謝申し上げます。
レース後の打ち上げ会を、後日自由が丘モッコさんで行いました。楽しい夜を過ごして、今回の耐久は締めくくりとさせていただく。
アイドラーズ12耐 詳細報告⑨
レース終了まであと70分くらいのところで、いよいよ本降り。 しかも完全に陽は落ち真っ暗。
晴れから雨、薄暮から闇。全開走行から燃費走行へとシチュエーション変化が多過ぎるセッションを見事走り切ってくれた中嶋さんから、いよいよアンカー所さんへ。
もてぎの「暗さ」はアイドラーズのアンカー経験者しか分からないのだが、皆様の想像より5倍「漆黒」である。メインストレートから5コーナーまでは比較的明るいが、S字からヘアピンに掛けてとバックストレートは完全に真っ暗。
これは自分も重々承知しているので、所さんには事前にシミュレーター「rfactor2」ナイトモードで説明した。でも、SIMソフトがヨーロッパ製であるからか(欧米人は夜目が効くと言われている)、もしくはもてぎの夜をしっかり取材せず製作したのかは不明だが、所さんに「これなら大丈夫そうだね」と思わせる明るさ。SIMのヘッドライト消してもまだ明るいので、「この3倍見えないので、コース路面見るより脇の看板見落とさないようにしましょう。100m看板見落としてのブレーキミスだけは回避したいですね」と申し上げていた。
ところが、この暗さに加えて相当な雨量が重なる状況。初レース・初ナイトドライブとしては重荷だった、という程度の言葉では表現出来ないものだ。
また、伏線がある。
前夜のささやかな乾杯の席で、所さんが「松田さんから、最終アンカーは順位や状況問わず所さんでと言われているが、クラス3位でバトンもらって、自分が走行中に4位に落ちる夢をみたんですよ」と。。
これを聞いてみんなで爆笑したのだが、なんと中嶋さん→所さんの最終リレー時の順位はクラス3位。今のところ「正夢」。しかも雨という希望しないオマケ付きで。
所さんが最終乗車される前、「もうここまで来たのだから、無理せず生き残ること最優先で行きましょう」と我ながら恥ずかしくなる陳腐なアドバイスしかできなかった。今年のチームで、718がノントラブルならクラス表彰台もあり得ますね~と何の気なしに皆で話をしていたことが現実となっているからだ。順位は気にせず自分たちの走りに集中して行こう!と言っていたが、今こそ順位にこだわるべき最後の戦いが始まる瞬間。件のPDK不調で一時参戦危ぶまれたことを鑑みても、今我々のいる状況はなかなかなもの。
コースに出た所さんは、コーナーでは全く無理せず直線でのみ追い抜きをするスタイルで、初レース初ナイト初豪雨としてベストソリューション。でも、「ワイパー一番速くしても視界がない。」「ブレーキング目安に使うコース脇看板が見えない。」「水溜まりに入ると前輪が浮いて流れる。しかもその水溜まりを視認できない」との報告が。
自分が想像する以上の状況に、「アンカー所さんと言っていたが、ここはドライバーチェンジだったかな」と気が弱くなったりした。また、この雨に足をすくわれてスピンアウトやクラッシュする車両も出始める。
と、ここで隣のPIT を見ると、クラス2番手を走る992GT3がタイヤ交換に入ってきたのだ。雨量が多すぎて危険と判断したのだろう。しかし、なぜ2番手の位置を捨ててタイヤ交換??
PCに表示されるラップタイムを見ると、
GT3→2分40秒
所さん→3分49秒
瞬時に、「GT3チーム、これは安全策ではなく、より順位を上げるための積極策だ」と感じた。ドライよりもウエットはラップタイム差が生まれやすく、鮮度の良いタイヤを履けばそのままステイよりも1周あたり15秒アップも可能。上位のウラカンGT3などは溝のないドライタイヤで何とか踏ん張っており、それらに追い付くならこのギャンブルも大いにあり。
我々など意に介せず、より上位のチームに対し深溝レインタイヤで1周1分単位で削り込んで来るサインと見て間違いはないだろう。
とりあえず、992GT3チームのタイヤ交換ロスのおかげで我々はクラス2位へとアップした。が、鬼神の追い上げをされることは明白。
ここで一瞬考えた。どちらを無線で伝えるか??
①「所さん、このまま安全にマイペースで最後まで行ってくださーい。」
②「現在クラス2位に上がった、しかしGT3に1周1分以上速く追い上げられ、このままだとチェッカー直前に逆転される。」
ここで自分は②を選択。所さんはもちろん、チーム全員に「鬼」と思われたはず。
②の選択理由は、
これこそ耐久レースであること。
現実を伝えず重荷を背負わせないのは、今後の所さんのレーシングライフに活きないと考えたこと。
このプレッシャーに負け、スピンアウトするのも所さんにとって1年目だからこそOKであること。
ここからチェッカーまで15分だったのだが、時計が止まったかの様な錯覚を覚えるほど長かった。
所さんに、②をお伝えした後の様子。
「固唾を飲む」とはこの事と言う典型例な顔で全員モニター釘付け。
アイドラーズ12耐 詳細報告⑧
各ドライバー乗車3巡目完了し、巡行ペースやそれぞれの燃費も肌感覚でスタッフ含めて全員理解出来てきた。やはり2分20秒から25秒周回だと給油回数は多い。ただ、自分の事前計算では
①2分30秒巡行で燃費3.8kmと2分20秒巡行で燃費3.0キロであれば、最終的に20秒巡行車が周回数で勝つこと。
②28秒から30秒巡行の世界だと、同じラップペースでも直線派とコーナー派が混在しており、引っ掛かるとその集団から抜け出せない。例えるなら新東名で90キロ巡行トラック集団に定期的に引っ掛かるイメージ。少しペース遅いトラックに詰まった他車が集団となり、それを抜けるとまた数分後に同様のグループに出会う。皆さんも経験あると思う。
やはり、前車を抜けず集団に引っ掛かり続け毎周3秒5秒ロスは上位争いに於いて致命的になるのだ。ローパワー車でもS耐ドライバー揃いで瞬発力あり安全にコーナーで抜き続ける能力持ち合わせていれば問題ないが我々にはそうも行かない。それを安全にパワーで解消しようと考えたのもポルシェ718を採用している所以。また、近年12耐上位はほとんどミスしない。最初の2時間で形成されたTOP10はほぼ最後までそれを維持する。我々は一旦47位まで落ちたが、午後3時頃にはドライバー各氏の頑張りで総合11位から13位くらいまで上がってきた。ただ、そこからが上がらない。上位鉄壁だからだ。
午後4時、みんなで考えた。このままのペースだと最後チェッカー前20分くらいでガス欠。残りたった20分を走るために給油ストップして5分停車しなくてはならない。であれば、ここから燃費重視に切り替え少しずつ走行時間を延ばし最後20分での中途半端なPITを避けようと。
このように文章化すると簡単だが、残りレース時間と各自の平均燃費を鑑み、その時々で最適解を出すのは本当に難儀。この場面で、それまで静かに戦況を見ていたapr高野氏、寡黙に給油だけしていた瑛斗と、走行後はひたすら冷房を浴びていた嶋田さんが動いた。3人とも「どうすれば一回給油減らして、かつ平均タイム落とさず順位上げられるか?」を考え始めたのだ。この時のドライブは自分。検討した結果、それまでの運転時間よりも一気に20分延ばす挑戦を開始した。燃費を伸ばしてタイムダウンは最小限。これが上手くいけば残りスティントを減らせるし大幅順位アップ可能、NGなら最後中途半端なスティントが生まれる。ここから一気にチームの一体感が増し、次走者の中嶋さん、アンカー所さんにもその空気が伝染していく。
最終的に、20分延ばしたい所17分延ばした段階で給油となってしまい完遂出来なかったが、次の中嶋さんも不慣れな「燃費とタイムハイブリッド走法」に果敢に挑戦して下さり、最終的に所さんへ燃料残した状態で繋いでいただけた。これは本当に大変な任務だったと思う。感謝と敬礼、な気持ち。
また、ここで瑛斗から「じきに雨来るよ」とレーダーを見せられた。彼のスマホには、もてぎ北部から赤表示された強い雨雲が流れてくる様子が。先程の燃費走行への切り替えや天気を読む姿から、彼が給油マンからチーフオペレーターに成長し頼もしく感じる。瑛斗は甥だが、彼がまだ7歳のころに初めてアイドラーズ耐久に連れてきたのだから感慨深い。
そして、我々はまず何をしたか??まず、テントを片付けたのだ(笑) 今回新調したテントは白。これが濡れることを防ぐためだ。まだ晴れているのにテント畳んでいるので他チームから「?」な表情をされたが、雨雲レーダーをお見せするとそのチームオペレーターの方も荷物の整理を始められた。ただ、テント畳んだ後も一向に雨は来ない。もてぎの天気レーダーは外れることが多いので、まぁそれもと思っていたら、ドライブ中の中嶋さんから「ヘアピンあたりで強めに雨降ってきました!」とのレポート。
レース最終盤で、ある意味想定通りの「波乱」要素がやってきた。
アイドラーズ12耐 詳細報告⑦
5年ぶりに12耐をドライブさせていただく自分。チームメイクや車両セッティング、所さんを始めとする皆様へのアドバイスに注力してきたが、せっかくドライバーとしても復帰させていただくからには、コースインしてすぐに規定ペースで走行したい。 PITロードを走り、1コーナーを抜けて本格的走行のスタート。後続車に気を使いつつ3コーナーからはピッチを上げて行く。数年ぶりにもてぎのコースを走ることは懐かしく、各コーナーや路面を確認しつつペースの異なる車両を抜きながらメインストレートに戻ってみると、表示されたタイムは2分28秒。。。遅い、遅すぎる。。
自分なりに結構頑張った復帰一周目であったが、全く話にならない。翌周からさらに気合い入れて何とか20~22秒まで行ったが、もてぎを2分20秒で走る事ってこんなに大変だったか??とブランクを痛感した。また、恥ずかしいことにLINE通信のマイクボタンをOFFにしたまま乗車していたためPITにこちらの声が届いていない始末。。。
色々とダメな自分に落胆しつつ所定のスティント走行は出来たが、事前準備の大切さを再確認した。
これでドライバーは一巡し、2回目以降は特に大きな問題もなく「淡々とこなすモード」に入ってゆく。これはお互いの信頼感があってこそであり、またapr高野氏や中山さん、瑛ちゃん、進藤さんの給油関連スタッフさんがいてくれるからこそ。暑さもほどほどだし、レース展開は落ち着いている。でも、自分は「このままレース展開が落ち着いていることはないだろう。何か大きなことがやってくるよな」と警戒しながら、耐久最終パートの17時から20時を迎える心構えをしていた。
アイドラーズ12耐 詳細報告⑥
やや混乱してしまった初回ピット。
PIT作業のみならず、ドライビングやペース配分、コミュニケーション面においてレースが終始完璧に上手くいくことは少なく、このような事柄は早く出てくれた方がありがたく挽回の余地もまだまだ大きい。なぜなら、後半になればなるほどそのミスは大きく響き、最終盤であれば致命的になるからだ。
2番手走者はオーナー所さん。給油はバタついてしまったが、所さんといえば予定時刻より早めに全てのスタンバイを終えており、初レースの緊張あれどこの初回を乗り切ってしまえばより自分が落ち着けることを悟っているご様子。
練習してきた通りシートに乗り込み、所定の流れでエンジン始動。ギアを入れてPSMの解除ボタンを押し、速度制限40キロを超えないためにあえて1速でPITロードを進むことも練習通り遂行できた。
コースインした所さんにはリラックスしてもらうためにLINEで多めに話しかける。返答は普段のスポーツ走行と変わらずかむしろ落ち着いているくらい。
走行開始から13分ほど経過すると、所さんより「コース上複数台数停止している。これはSCになるかも」と完璧なレポート。実はこれもシミュレーターで何度も想定してきた案件で、「1台の停止なら場所と程度によるが黄旗処理のままが多い。だが2台以上となるとほぼセフティーカー導入となる」ことをSIMで練習しながらイメージしてきたのだ。
練習に使ったアセットコルサのAI車両は、特定の車両が運転荒い。黄色い930ターボと緑のエリーゼ。あとはランボルギーニウラカンもコースアウト率高く、それも3コーナーで多重発生することが多かった。このような場面では実際にはセフティーカー導入となるので、無線生きていれば報告、無線断線の場合は独断でPITインしましょうと二人で何度も確認して来た。
SIMとは場所は少し違ったが、ストレートエンドで2台が絡む大き目の事故であったので、所さんは冷静に報告してからピットに帰還。ここで給油とドライバーチェンジ。
所さんのレースデビュースティントは時間こそ短かったが、乗車準備から乗り込み・走り出し・無線報告・その対処と、全てが完璧であった。また短く終わったことがむしろ緊張を解す事にもなり、ご本人も安堵の表情で降りてきた。無事これ名馬。
続く3走者目は嶋田さん。
過去2017年から2019年まで12耐を一緒に参戦いただいたが、「やり残したことがある」と静かに今回のプロジェクトに参画いただいた。事前にもお伝えしたが、718でのテストはウエット路面1回のみ。しかも本番で718に乗るのは数年ぶりであること、2017当時より想定巡行ペースが10秒も速い設定の今回、経験者の嶋田さんでも相当ハードルは高かったはずだ。ご自身の準備も抜かりなく、暑い中毎日長時間ウォーキングされたりトレーニング実施されていたのも承知している。
嶋田さんが走り出すと、やはりLINE通信が不安定。Bluetoothイヤホンで通話していたが、練習時より他車ノイズが多い為かほとんど聞き取れない。また、嶋田さんの方にもこちらの声があまり伝わっていないようだ。普段はマニュアルの987Sで走っているが、PDKの718はデジタルな車両なのでその習熟も少し苦戦されているご様子。途中、「フェラーリ488GT3が煽ってくる!抜いていけばよいのに抜いて行かない!リズム狂うし落ち着かないよ。」との報告。
ん??と自分は一瞬思ったが、これは嶋田さんが相当良いペースで走っている証左であり、今年のTaymaz24はかつて全くペースが違ったチームとがっぷり四つで戦っているのだ。通信こそ不安定であったが、所定のスティントを無事熟していただきPITイン。 次は数年ぶりにドライバーとしてコースインさせていただく自分だ。






