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アイドラーズ12耐 詳細報告③
実走テスト回数には限りがあったが、中嶋さん嶋田さんに於いては経験値があるので心配はない。肝心なのは所さんの不安払拭。
これについては、シミュレーターを最大限活用した。
コースは勿論もてぎ。アセットコルサの混走耐久モードを選択、速いクルマはポルシェ911GT3RやランボルギーニウラカンGT3から遅い車は旧型FIAT500を選択し、抜く抜かれるの難しさを本番同様に再現。また、アセットコルサの電子制御モードをゼロにし、実走より滑りやすく難しい設定とした。また、ガソリン搭載量は本番同様20literとし、途中で残量警告灯点灯させたり、コース上でのアクシデントを示すイエローフラッグ提示も本番さながらとした。本番の狭い視野に対応すべく、ヘルメット着用もしていただいた。
所さんは最初この難しい設定でまともに走る事すらできず、すぐにスピンしたりコースアウトした。ある程度慣れていただくまでは仕方ないので反復練習したが、ある所から自分が気づく点があった。
「ステアリングとアクセルの連携がバラバラ。適当にアクセル踏んでいって、コースが足りないとそこでステアリングを切り増す。」
「他車を抜くとき、少し運任せというか接触も止む無し的な雑な面があった。」
「走行中失敗するとそのレースをdeleteして再スタートを繰り返していた。」
上記を修正するために、「丁寧なスロットルの踏み方が出口のラインを決める。最後にステアリングで雑な修正するべきではない」「他車に接触止む無しとシミュレータで思っている限り、実走でも同様の事が起きるからその考えは捨ててください」「何度も繰り返せると思うな。レースは本番一発勝負なので、シミュレーターでもミスったらそこで終了。その日はもう終わりでお帰り下さい。」と、相当厳しい空気で練習した。
こんな感じで松田は厳しいので、所さんは練習にいらっしゃる度「顔色無し」であったが、それでも必ず毎週お越しになった。最初はすぐスピンしたり焦ってコースアウトしたり、FIAT500などを抜くのに苦労されていたが、徐々にそれも攻略。旗やガソリンメーター見る余裕も出てきた。30分走行すると汗ビッショリ。
本当に辛い練習なのに、めげずに毎週練習を繰り返す所さんを見て、「この方は本気でご自身を伸ばそうとしていらっしゃる。このまま真摯に向き合っていらっしゃる姿勢のままであれば、本番も心配ないな」と思いつつ、本番を迎える前週までは厳しい空気のまま練習に取り組んだ。
アイドラーズ12耐 詳細報告②
結局我々がテスト走行を行えたのは、もてぎで3回でした。
初回は所さんコース下見程度、2回目は中嶋さん初乗り、3回目は嶋田さん初乗りと所さんの習熟。しかも2回目はギアオイル漏れがあり途中中止。3回目はウエット路面と、今思うと良くこの程度のテスト回数で出場出来たなと自分達を感心します。
今回の車両仕様と戦術は以下の通り。
⭐︎718ケイマンSの改良点
・オーリンズ車高調整サス(7キロ程度の柔らかいスプリングとし、ノーマル+αの乗りやすさ確保と晴雨対応可能とした。)
・PFCブレーキパッド(12時間耐久には必須ブレーキ)
・助手席取り外し(多少の軽量化)
・ラジエター飛来物ガード網取り付け(タイヤカスでラジエター損傷防ぐため。過去に986ボクスターでラジエターに穴空いた経験から)
・アドバンネオバAD09タイヤ装着(こちらもピークグリップより耐摩耗性と夕刻の恒例豪雨対応を含めてチョイス)
エンジンやマフラー、ECUはノーマル。ポルシェが元来持つ信頼性に頼る形。
⭐︎Taymaz 24の戦術
・2分20秒から25秒/周で巡行。今回燃費は度外視してペース優先。
・夕刻17時からは展開次第だが燃費走行に切り替え、給油回数減らす。
・718は速い車の部類だが、オラオラ運転禁止!追い抜く時他車の方々の走行ラインやペースを乱す様な走りは絶対しない。敬意を持つ事。
・ドライバー、スタッフ共に超ミニマムなので、明確な役割分担とシンプルな指示系統確立し、協力を欠かさない。
・最後の最後まで順位は意識しない。口にしない。途中で浮かれると足元救われるから。過去、2019年に総合4位に上がり、ピット内が色めきだった瞬間にドライバーがスピンした経験から。
・最終走者は如何なる状況でも所さんで決定。仮にクラス表彰台を争う場面だったとしても。 以前の松田なら「順位落とせないし、頑張れば2位に上がれる可能性あるから松田ドライブで」とするところだが、今回は所さんの経験値アップや「耐久の真の面白さとプレッシャー」を感じていただくため。
上記をドライバー各氏には都度お伝えし、しっかり共有できた事が今回の強いチームになる原動力となった。
続く
アイドラーズ12時間耐久 詳細報告
今年のアイドラーズ12時間耐久。Taymaz24academyとして初参戦致しました。
Taymaz24は富士24時間耐久レースに参戦するプロジェクト。
主に中年になってお金と時間に少し余裕が出てきたものの、レースについては若いころ取り組めなかった方々をメインに活動しております。
富士24時間には国際C級ライセンスが必要であり、その所得にはJAF戦5戦以上及び公認スピード競技5戦以上の完走歴が必須。
そのため、我々はJAF戦に集中していたのですが、「24時間耐久は暑さやペースの速さ、連続運転時間の長さなどの観点から、アイドラーズ12耐を余裕でクリアする必要あり。」「とはいえJAF戦の修行は苦行そのものであり、少しレクリエーション要素あるレースも出たいね」という2点から今回の参戦に至った。
また、2019年に旧タイマツレーシングでの718ケイマンS12耐参戦を見学いただき、その時に感銘を受けて下さった所さんのドライバーとして参画したいと言う熱い想いが、今回の718ケイマンSご提供と一緒に参戦する流れになったこともございます。
というわけで、今年3月ころにこのプロジェクトは発足し、体制は以下の通り。
車両:ポルシェ718ケイマンS(所さん所有車両)
ドライバー:所さん・中嶋さん・嶋田さん・松田
メンテナンス:レーシングコンストラクターapr/池田自動車
サポートメンバー:瑛斗・中山さん・進藤さん
テクニカルパートナー:マイルセイバージャパン
特に、車両オーナー兼ドライバーの所さんにとっては初レースとなる。その中でどのように練習を積み、本番に安心して臨んでいただくか?が大きな要素となった。
5月ころから栃木県のモビリティリゾートもてぎで本格練習走行を始めたが、その時は正直チームとして全くレースを戦えるレベルに無く「こりゃ大変そうだぞ」と思ったことが懐かしい。
続く。
富士練習走行 991.2
本日は、富士スピードウェイにて991.2カレラ氏の練習走行帯同でした。
今回で5回目の本コース走行。ドライバー氏は毎回ご自身に課題を設けていらっしゃるので成長が早い。
一本目の走行では、ダンロップコーナーから続くテクニカルセクションをメインにレクチャー。
旋回速度をもう少し上がれそうですよ、とお伝えすると次の周回ではしっかり実践される。限界を決めず色々試される姿勢に感銘を受けました。
走行後に色々振り返りながら話をしていると、最終セクションの走りは良いが第一コーナーの走り方がドライバー氏と自分でどうも話がかみ合わない。
なんとなくイメージにズレがあるようなので、2本目は1コーナーから観察。
この写真はコースインしてきた時。
下手な写真ですみません。
1コーナーの進入を見ていると、自分が旋回開始する地点より結構手前でハンドルを少し切りながらブレーキングしているので、それを真っ直ぐ制動に修正。
減速は良くなったが、転回に入る時の操作が少し大人しすぎてポルシェが理想的な反応してくれないのが見て取れたので、
走行後に再度お話しタイム。
そうすると、止まる曲がるの考え方に結構相違があり、お互いで確認したのですが自分の説明力不足でしっかりイメージ共有が出来なかったので、場内外周路ゆっくり同乗走行しながら説明させていただいた。
この時はオーナー氏のポルシェではなく、現在の自分の足車であるルノートゥインゴ(リアエンジンモデル)の助手席に乗ってもらい、ドライバー氏のターンイン操作と自分の理想とするターンイン操作を交互に自分が再現してみた。
そしたらドライバー氏は感嘆され、こんなにも操作一つでリアエンジン車の動きが異なるのか!
衝撃的です!!と。
運転の仕方、走らせ方は千差万別。
どれが正解かって言うのは難しいが、自分はリアエンジン車及びミドシップ車の操作方法には確固たる理想像を持っており、それを安全な速度(40キロ以下)で示し、イメージ掴んでいただけた事が嬉しかった。
すぐに身に付けるのは難しい操作なのですが、今後反復練習せていただき、ドライバー氏がポルシェをより活き活き走らせる日がすぐ来る様に感じました。
タイム向上は予想以上にしているので、その点は合格。次回からは美しくカッコ良いポルシェ走りを目指しつつ、タイムアップは自ずと成し得るので、今後も落ち着いて取り組んでいきましょう!






